ミラPのデバイス部log

自作PC経験20台以上のミラPが、本当にいいと思ったデバイスを徹底レビューします。

【キーボード】POK3R V2をレビュー:1.3万円で買える、コンパクト60%キーボードのダークホース

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画像引用元:https://www.archisite.co.jp/products/vortex/pok3r-v2/

 

今回はVortexgear(台湾)のキーボード、POK3R V2をレビューします。

 

価格は約1.3万円で、Cherry純正の低背赤軸を搭載したメカニカルキーボードです。

Cherry製スイッチを採用したメカニカルキーボードとしては低価格でありながら、「全高23mm」「CherryMX低背赤軸採用」「60%サイズ」というコンパクトさが魅力です。

 

 

Vortexgear POK3R V2の仕様

Vortexgear POK3R V2の仕様
 キー配列/キー数  英語US配列/61キー
 キーキャップ/キーキャップ印字  PBT素材VSAプロファイル/二色成型
キースイッチ  Mechanical Cherry MX LowPlofile Red switch
接続方式/コネクタタイプ  USB2.0/USB-C to A
筐体材質  アルミニウム(CNC・アルマイト加工)
ポーリングレート  125Hz(旧ファームウェア時)、1000Hz(最新ファームウェア適用時)
外形寸法/重量  288×98×23mm(幅×奥行き×高さ)/436g(ケーブル含まず)
その他機能

 RGB LEDバックライト、ハードウェアマクロ機能、レイヤー切り替え、QWERTY/Dovrak/Colemak配列切り替え

6キーロールオーバー(旧ファームウェア時)

Nキーロールオーバー(最新ファームウェア適用時)

OS最適化モード(最新ファームウェア適用時)

付属品

 本体、USB-C to Aケーブル、保証書兼マニュアル、キーボードカバー   (プラスチック製)

参考価格

 モバイルを意識したマルチユースのコンパクトキーボードながら、FPSなどの本格的なゲーム用途でも非常に優秀な性能です。

 

✅ 低背赤軸採用:銀軸と同じ反応点の浅さでストロークが短くゲーマーにも向く

✅ ポーリングレート1000Hz:高性能ゲーミングキーボードと同じ応答速度

✅ 二色成型キーキャップ:キートップが擦り減ってもキーの印字が消えない

✅ Nキーロールオーバー:全キー同時押しを認識可能

✅ RGB LEDバックライト:各キーの色や明るさを赤緑青各10段階(消灯含む)で調整可

✅ レイヤー切り替え:Fnキーとの同時押しでフルキーボードと同じキー入力が可能

✅ ハードウェアマクロ:キーボードの配列を自由に変更し、キーボード内に記憶

 

完成度は同じ台湾製60%キーボードであるDucky One 2 Mini以上でありながら価格は2000円以上安く、パフォーマンス面でもコスト面でも驚異的。

間違いなく60%コンパクトキーボードのダークホースです。

 

Vortexgear POK3R V2の開封レビュー

開封と付属品のチェック

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 パッケージは近未来を思わせる小洒落たデザインです。

 

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中の梱包は非常にシンプルです。

紙製の梱包材の中心にキーボードが置かれていて、その上にプラスチック製のキーボードカバーが乗せられています。

 

付属品のチェックに入ります。

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 付属品は必要最低限といった感じ。

とはいえ特に不足しているものもなく、これで十分です。

POK3R V2の付属品

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キーボード本体           

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 キーボードカバー

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 USB-C to Aケーブル

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 保証書兼マニュアル

インターフェイス類とキーボード本体

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 インターフェイスはUSB-Cが一つだけと非常にシンプルです。

全高23mmという超薄型モデルだけあって、全く無駄のない設計になっています。

 

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キーキャップはVortexgearの独自規格であるVSAプロファイルで、すべてのキーキャップの高さが一様になっています。

VSAプロファイルはDSAプロファイルがベースになっていて、DSAプロファイルのキーキャップよりもトップ部分の面積が広くキーの視認性が高くなっているのが特徴です。

 

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キーキャップの素材は摩擦/摩耗特性に優れたPBT(ポリブチレンテレフタラート)樹脂製で、さらに二色成型になっています。

これによりキーキャップのすり減りが非常に小さく、万が一キートップがすり減ったとしても文字が消えないように配慮されています。

また、PBT樹脂はABS樹脂などに比べて重いので、より適度な反発感を受けながらタイピングできます。

トップ部分の手触りはサラサラで、汗などでベタベタしにくい加工が施されているため長時間の作業も快適です。

 

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このキーボードは薄さと軽さを追求するためPCB(基板)補強用の金属プレートがなく、キースイッチがPCB直付けのタイプになっています。

ただし、アルミ合金削り出しの筐体で剛性感は非常に高く、安定して打鍵可能です。

通常の底打ちではしなる、たわむということは全くありませんでした。

 

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キースイッチはドイツ・Cherry社が製造するCherry MX Lowplofile Red Switch(低背赤軸)。

低背赤軸と通常の赤軸を比較するとこんな感じ。

  Cherry MX LowPlofile Red Switch Cherry MX Red Switch           
クリック感 なし なし
押下圧 45cN ±15cN 45cN ±15cN
接点 1.2mm ±0.3mm 2.0mm ±0.6mm
ストローク 3.2mm ±0.25mm 4.0mm -0.4mm
 

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画像引用元:https://www.cherrymx.de/en/mx-original/mx-red.html

 低背赤軸は赤軸と比べて接点が浅く、キーストロークも短いという特徴があります。

 接点はCherry MX Spped Silver Switch(銀軸)と同じ浅さで、ストロークは銀軸よりさらに0.2mm浅くなっています。

 一番の競合製品であるDucky One 2 Miniには低背赤軸のモデルがないので、採用スイッチに関してはPOK3R V2の方がゲーマーに向いているでしょう。

 

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画像引用元:https://www.cherrymx.de/en/mx-original/mx-red.html

 クリック感やタクタイル感がなく、キーを押し下げるほどスイッチが重くなるリニアな打鍵感です。

 

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上下左右の枠は約1mmで、本体は非常にコンパクト。

キー間隔は1Uサイズのキーの中央から隣のキーの中央までで19mmと標準的ながら、平面部分の面積が大きく視認性は良好です。

キーキャップの配色もシックな雰囲気で、カフェなどで使っていても違和感はありませんね。

ただ、気になったのは側面印字がないこと。

Fnキーとの同時押しのキー(PrtScやScrLk、Deleteなど)が分からないため、組み合わせ入力の暗記は必須です。

 

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筐体はアルマイト(陽極酸化処理)加工が施されたアルミニウム合金(アルミ切削)製で、高耐食、高耐摩耗、高硬度を実現しており、モバイル用途にも安心です。

ゴム足は6つで傾きを変えるチルト機能は搭載していません。

フラットなキーキャップと低背のおかげで打ちにくいということはありませんでしたが、もしかすると人によっては気になるかも。

 

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裏面はシリアルナンバーがついた金属製のプレートが装着されており、非常に高級感があります。

 

POK3R V2の機能をチェック

配列をチェック

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POK3R V2のキー配列はUS ANSI配列をベースとした61キーのPOKER配列になっています。

右下のFnキーとPnキーが特徴で、この二つのどちらかのキーと同時押しすることでフルサイズキーボードと同等の入力を確保しています。

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画像引用元:https://www.archisite.co.jp/wp-content/uploads/2020/02/Por3er-V2-Manual-v2.pdf

ハードウェアマクロをチェック

POK3R V2にはマクロプログラミング機能が搭載されており、設定したキー配列をキーボード内のオンボードメモリに記憶させておくことが出来ます。

マクロプログラミングの設定方法

マクロプログラミングは、下記の手順で設定します。

ステップ 1:マクロプログラミングレイヤー を選択します。  

・デフォルトレイヤー・・・Pn + N を押して、FN を先に離す → LED1 は消灯状態   

   ※デフォルトレイヤーにはマクロプログランミングはできません。  

・レイヤー 1 ・・・ Pn + M を押して、Pn を先に離す → LED1 が赤色で点灯します  

・レイヤー 2 ・・・ Pn + , < を押して、Pn を先に離す → LED1 が緑色で点灯します  

・レイヤー 3 ・・・ Pn + . > を押して、Pn を先に離す → LED1 が青色で点灯します

ステップ 2:Pn + 左 Ctrl を押してプログラミングモードに進みます。→ LED2が緑色で点灯します。

ステップ 3:マクロをプログラムしたいキーを押します。→ LED2が緑色で点滅します。

ステップ 4:プログラムしたい内容をタイプし、最後に Pn を一度押します。      Pn を押すことで、プログラム設定が保存されます。→ LED2の点滅が止まり、再び緑色に点灯します。

ステップ 5:ステップ 3 と 4 を繰り返し、その他のキーにもプログラムします。

ステップ 6:Pn + 左 Ctrl を押し、プログラミングモードから退出します。→ LED2が消灯します。

■すでにプログラムされているキーに別のプログラムを設定しなおす方法  

ステップ 3 ~ 4 で、マクロをプログラムしたキーを 2 度押します。

その後 LED2は緑色で点滅しますので、ステップ 4 に進んでください。

■すでにプログラムされているキーに元に戻す方法  

ステップ 3 ~ 4 で、マクロをプログラムしたキーを 2 度押します。 その後 LED2は緑色で点滅しますので、Pn を一度押してください。

Pn + 左 Ctrl を押し、プログラミングモードから退出します。→ LED2 が消灯します。

■マクロ設定が出来ないキー  

マクロ設定時に必要なPnキーおよび Pnキーと同時押しするキー操作のキーへのマクロ設定は行うことが出来ません。

引用元:https://www.archisite.co.jp/wp-content/uploads/2020/02/Por3er-V2-Manual-v2.pdf

 

RGB LEDバックライトをチェック 

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 バックライトは光がふわりと広がる上品な雰囲気です。

ただしLED直付けのPCB(基板)が露出しているため側面から見るとかなり眩しく感じる反面、光がキーキャップを透過しないため、暗いところでの視認性は透過タイプのものに劣ります。

 

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POK3R V2はPnキーとの同時押しでLED制御が可能になっています。

61個すべてのキーで色を個別で設定でき、LEDの明るさは赤、緑、青の三種類を各10段階(消灯含む)で調整出来ます。

 

まとめ:1.3万円で買える、コンパクト60%キーボードのダークホース

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「POK3R V2」の良い点

◎全高23mmの極薄筐体

◎シンプルで上品な外観

◎Ducky One 2 Mini以上の完成度

◎銀軸を超えるゲーム性能

◎高級ゲーミングキーボード並の反応速度

◎自由自在なマクロ機能

◎1.3万円は驚異的な安さ

高額で入手困難なDucky One 2 Miniより高性能でコンパクトながら、1.3万円に抑えたコンパクトキーボードの決定版です。

コストカットは本当に不要なものだけを削り、性能に関しては一切妥協していません。

One 2 Miniより更にシンプルなデザインでやや玄人向け感はありますが、薄型軽量なモバイルキーボードでも打鍵感にこだわりたいという方には唯一無二の選択肢でしょう。

「POK3R V2」の気になった点

×チルト機能がない

×側面印字がない

×バックライトの光がキーキャップを透過しない

 キーボードが傾けられない平面タイプなので、勾配のきついキーボードを使い慣れている方はかなりの違和感を覚えると思います。

側面印字と光の透過のないキーキャップなので、キー配列および組み合わせの暗記は必須です。

コンパクトキーボードを初めて使う方はメインキーボードにするには厳しい印象を受けました。

 

以上、『【キーボード】POK3R V2をレビュー:1.3万円で買える、コンパクト60%キーボードのダークホース』でした。

 

 

 

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